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静岡市歴史博物館、静岡市、駿府城を愛する会と連携フィールドワークを実施


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本学の全学共通科目「歴史から読み解くしずおか学」では7月7日に、静岡市葵区にある駿府城公園でフィールドワークを実施しました。科目担当の上野雄史経営情報学部教授からのレポートをご紹介します。

しずおか学にて、静岡市歴史博物館、静岡市、駿府城を愛する会と連携フィールドワークを実施

しずおか学科目群である「歴史から読み解くしずおか学」では、7月7日に静岡市歴史博物館(公益財団法人静岡市文化振興財団)、静岡市歴史文化課、ならびに駿府城を愛する会と連携して、駿府城公園のフィールドワークを実施しました。
朝、集合した後に、静岡市歴史博物館のセミナールーム内で当日のフィールドワークの次第、内容について、静岡市歴史文化課の発掘調査担当の方から説明を受けました。静岡市歴史博物館は、駿府城の内堀近くに位置し、駿府城の東御門の近くにあります。まず、駿府城公園にある東御門から巽櫓に入りました。東御門からみえる巽櫓は、全国にある櫓建築でも例の少ないL字型の平面を持ち、鉄砲狭間?矢狭間からの鉄砲、弓矢攻撃、櫓門正面の上部にある石落とし等により、敵の侵入を防ぐ構造になっていることをご説明頂きました。今回は外から見るだけではなく、巽櫓?東御門の中に入り、その構造も確認しました。巽櫓?東御門の内部は資料館になっており、天正期から慶長期、そして江戸期に至るまでの駿府城の変遷についても実際の資料に基づき知ることが出来ます。駿府城は天正期(1585年~)に、近世城郭として築城され、天守が築造されたと言われています。その後、家康公の関東移封(小田原の役後の1590年~)に伴い、豊臣系大名である中村一氏が入城し、関ヶ原合戦(1560年)後の国替えに伴い、再び、徳川系の大名が入城しました。その後、徳川家康が隠居の場として、駿府城を選んだことに伴い、天下普請によって大修築されました。資料館では、駿府城の歴史を知ることが出来る貴重な資料や展示がされており、学生たちは説明を受けながら、歴史の大きな流れを感じることが出来ました。その後、家康公が亡くなったと言われている本丸御殿エリア、二の丸御門跡、周辺に今川家の館があったと推測されている坤(ひつじざる)櫓を見学した後に、発掘調査が行われている天守台の遺構を見学しました。天守台の遺構では、天正期のものと、慶長期のものでの石垣の作り方が違う事を、当時の石垣を確認しながら説明を受けました。

天正期の石垣は、加工していない自然の石をそのまま積む工法で、慶長期の石垣より高く石垣を積むことは困難です。慶長期の石垣は、打込接と呼ばれる工法へと進化し、石を割って加工して石同士の隙間を減らし、小さな隙間にも間詰め石を入れます。これにより高く、急な石垣を造ることが可能になりました。これは、豊臣時代に行われた朝鮮の役後の中で、敵から防御する目的で発展してきた築城技術と言われています。皮肉にも、戦争が築城技術の発展に大きく寄与していたことを知りました。一通り見学を終えた後、セミナールームに帰り、今回のフィールドワークでの情報をまとめ、グループ内でシェアをし、案内頂いた発掘調査担当者、歴史博物館の学芸員の方に質疑応答をしました。
参加した学生たちからは、以下の感想が寄せられました。
  • 家康だけに限らず、他の支配者が根城としていたことから、統治者にとって都合の良い場所であるのだなと思った。枡形の門は、防衛力の強さを感じた。石垣が20mほどあるとは思っていなかったため、かなり驚いた。
  • 城の形が防衛用になっており、穴から弓や火縄銃、石を落とす仕掛けがとても面白い。駿府城はほかの城に比べると小規模気味ですが、徳川家康たった一人のためにこの規模の城を建築したと思うと徳川家康の偉大さが城の中を歩き回って実感出来ました。
  • 石列の違いや徳川家康が昔住んでいた場所など、実際に駿府城を歩かないと知ることができなかったため、とても貴重な経験になりました。石垣が、様々な時代に作られていましたが、一続きになっていたのが興味深く感じました。
  • 今回、初めて駿府城に来ましたが想像していたよりも規模が大きく昔の人々が機械を使わずに人力で作ったのだと考えるととても感慨深いものでした。
  • 展示物から当時の軍事的、文化的な事が感じられた。400年近く前の人と当時と同じ景色を見ていることに不思議な感覚になった。

歴史から読み解くしずおか学では、今後も、他団体とも連携しながら、地域に密着した、歴史文化への学びを深めて行きます。

東御門にて説明を受ける学生たち

天守台発掘現場を見学

フィールドワーク実施後のディスカッション

本件についてのお問い合わせ

「歴史から読み解くしずおか学担当」上野雄史(経営情報学部)、村橋 勲(国際関係学部)

(2024年7月17日)

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