アケビ(木通)の花
アケビ(木通、通草、山女、丁翁)は、アケビ科の蔓性落葉低木の一種(学名: Akebia quinata)であり、また、アケビ属(学名: Akebia)に属する植物の総称でもある。木通(モクツウ)、通草の名の由来は、蔓に細かい孔があり、細いストローのようになって、空気や水を通すことから。
花期は春(4~5月)、雌雄同株であるが雌雄異花で、春先に伸びた新芽に新葉とともに長い花序が垂れ下がり、柄の基部に濃紫色で大きな雌花、柄の先端に多くの淡紫色で小さな雄花が咲く。受粉に成功した個々の雌蕊が成長して果実(液果)となる。
漢方では、乾燥した茎を利尿、通経に用いる。葉や果実、若芽は食用にする。成熟した蔓は、籠を編むなどの工芸品の素材として利用される。
花期は春(4~5月)、雌雄同株であるが雌雄異花で、春先に伸びた新芽に新葉とともに長い花序が垂れ下がり、柄の基部に濃紫色で大きな雌花、柄の先端に多くの淡紫色で小さな雄花が咲く。受粉に成功した個々の雌蕊が成長して果実(液果)となる。
漢方では、乾燥した茎を利尿、通経に用いる。葉や果実、若芽は食用にする。成熟した蔓は、籠を編むなどの工芸品の素材として利用される。
常磐碇草(トキワイカリソウ)
イカリソウ(碇草、錨草)の仲間は、4つの長い距を持つ花の形が独特である。距とは、花弁や萼が変化したもので、この場合は花弁である。花期は、3~4月。生薬名は、淫羊藿(インヨウカク)【局】、薬用部位は茎や葉で、成分は、フラボノイド(icariin, noricariin, noricaritin)である。
北陸地方から山陰地方にかけて生育する。多年草で、草丈20~30 cm、地下に木質の根茎がある。根出葉は枯れないで冬を越す。葉は2回3出複葉、小葉は広楕円形で鋭尖頭、基部は深い心形、厚く固く、表面に光沢があり越冬する。円錐花序を付け、北陸では白色、福井以西では紅紫色である。
薬効と用途は、強壮、強精作用がある。生殖機能の低下、老化に伴う衰弱、関節痛、健忘症などに用いる。滋養強壮のドリンク剤によく配合されている。焼酎漬けも同じように利用できるほか、脳血管障害による半身不随、胃弱などにも用いられる。
(熊本大学薬学部薬草園「植物データベース」による。)
北陸地方から山陰地方にかけて生育する。多年草で、草丈20~30 cm、地下に木質の根茎がある。根出葉は枯れないで冬を越す。葉は2回3出複葉、小葉は広楕円形で鋭尖頭、基部は深い心形、厚く固く、表面に光沢があり越冬する。円錐花序を付け、北陸では白色、福井以西では紅紫色である。
薬効と用途は、強壮、強精作用がある。生殖機能の低下、老化に伴う衰弱、関節痛、健忘症などに用いる。滋養強壮のドリンク剤によく配合されている。焼酎漬けも同じように利用できるほか、脳血管障害による半身不随、胃弱などにも用いられる。
(熊本大学薬学部薬草園「植物データベース」による。)
翁草(オキナグサ)
日本で、本州、四国、九州に分布する。山地の日当たりのよい草原や河川の堤防などに生育する。アジアでは、朝鮮、中国の暖帯から温帯に分布する。
自生していた草地は、農業に関わる手入れにより維持されていた。草刈などの維持管理がなくなって荒廃したこと、開発が進んだこと、それに山野草としての栽培を目的とした採取により、各地で激減している。
全草にプロトアネモニン?ラナンクリンなどを含む有毒植物である。植物体から分泌される汁液に触れると、皮膚炎を引き起こすこともあり、誤食して中毒すると、腹痛、嘔吐、血便のほか痙攣、心停止(プロトアネモニンは心臓毒)に至る可能性がある。
漢方においては、根を乾燥させたものを白頭翁(ハクトウオウ)と呼び、下痢、閉経などに用いられる。
絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)である。
花が能楽の「善界」で天狗の被る赤熊(しゃぐま)に似ていることから、善界草の名もある。翁草の名の由来は、長い白毛状になる果実が、老人の白髪に似ていることによる。
翁草の地下には、太い牛蒡(ゴボウ)根状の根茎がある。春、暖かい日ざしが注ぐと芽を出す。葉を開くと同時に白い毛で覆われた花芽を伸ばす。葉が伸びきる前に、短い毛で覆われた赤紫色の花を下向きに咲かせる。花の後に葉の展開が終わると、花茎が長く伸びて、先端に種を実らせます。後から開花した茎の成長が止まると、葉はほとんど出ることなく夏を迎える。わきにしっかりと側芽をつけており、秋に株を充実させる。やがて落葉して休眠に入る(落葉しない場合もある)。
花弁に見えるものは萼片で、花が数輪咲く姿に情緒があり、種子の姿とともに愛好家が多く、写真家が集まる。庭植えにして愉しむ人もいる。
春先に花屋などの店頭で見かけるオキナグサは、ヨーロッパ原産のセイヨウオキナグサが多い。
土の香のなにかたのしく翁草 飯田蛇笏
翁草にもこれからの幸不幸 後藤比奈夫
澳门现金网,正规靠谱的彩票appの施設の一つに薬草園がある。生薬を直接研究テーマとする研究者が減少してはいるが、この薬用植物園は、薬学部での学習に必要な植物の栽培と収穫および研究を行うこと、さらには一般の方たちに生涯学習の場を提供することを目的に設置されている。
標本園3300平方メートル、栽培圃場2000平方メートル、温室90平方メートルなどに、栽培植物約800種があり、平日には一般に開放している。見本園、温室は見学自由である。
見本園の植物には、植物名、学名、科名、薬局方などの名称、利用部位、利用目的、成分、産地、原産地が記されている。
翁草の花言葉には、「何も求めない」「告げられぬ恋」「清純な心」などがある。
植物の中には猛毒のものもあるということも、薬草園で学んでほしい。今年2021年4月には、入学式を2回実施した。4月8日、午前に2021年度新入生を迎え、午後には2020年度の入学生のための入学式を実施した。薬草園には、桜、通草、翁草などの花が残っており、入学を歓迎して咲いていた。
ホームページの今月の花の紹介などを見ながら、ときには大学内の見学コースに入れてみてほしいと思う。
告げずとも恋は恋なり翁草 和夫
尾池 和夫
自生していた草地は、農業に関わる手入れにより維持されていた。草刈などの維持管理がなくなって荒廃したこと、開発が進んだこと、それに山野草としての栽培を目的とした採取により、各地で激減している。
全草にプロトアネモニン?ラナンクリンなどを含む有毒植物である。植物体から分泌される汁液に触れると、皮膚炎を引き起こすこともあり、誤食して中毒すると、腹痛、嘔吐、血便のほか痙攣、心停止(プロトアネモニンは心臓毒)に至る可能性がある。
漢方においては、根を乾燥させたものを白頭翁(ハクトウオウ)と呼び、下痢、閉経などに用いられる。
絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)である。
花が能楽の「善界」で天狗の被る赤熊(しゃぐま)に似ていることから、善界草の名もある。翁草の名の由来は、長い白毛状になる果実が、老人の白髪に似ていることによる。
翁草の地下には、太い牛蒡(ゴボウ)根状の根茎がある。春、暖かい日ざしが注ぐと芽を出す。葉を開くと同時に白い毛で覆われた花芽を伸ばす。葉が伸びきる前に、短い毛で覆われた赤紫色の花を下向きに咲かせる。花の後に葉の展開が終わると、花茎が長く伸びて、先端に種を実らせます。後から開花した茎の成長が止まると、葉はほとんど出ることなく夏を迎える。わきにしっかりと側芽をつけており、秋に株を充実させる。やがて落葉して休眠に入る(落葉しない場合もある)。
花弁に見えるものは萼片で、花が数輪咲く姿に情緒があり、種子の姿とともに愛好家が多く、写真家が集まる。庭植えにして愉しむ人もいる。
春先に花屋などの店頭で見かけるオキナグサは、ヨーロッパ原産のセイヨウオキナグサが多い。
土の香のなにかたのしく翁草 飯田蛇笏
翁草にもこれからの幸不幸 後藤比奈夫
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標本園3300平方メートル、栽培圃場2000平方メートル、温室90平方メートルなどに、栽培植物約800種があり、平日には一般に開放している。見本園、温室は見学自由である。
見本園の植物には、植物名、学名、科名、薬局方などの名称、利用部位、利用目的、成分、産地、原産地が記されている。
翁草の花言葉には、「何も求めない」「告げられぬ恋」「清純な心」などがある。
植物の中には猛毒のものもあるということも、薬草園で学んでほしい。今年2021年4月には、入学式を2回実施した。4月8日、午前に2021年度新入生を迎え、午後には2020年度の入学生のための入学式を実施した。薬草園には、桜、通草、翁草などの花が残っており、入学を歓迎して咲いていた。
ホームページの今月の花の紹介などを見ながら、ときには大学内の見学コースに入れてみてほしいと思う。
告げずとも恋は恋なり翁草 和夫
尾池 和夫
薬学部の薬草園サイトはこちらからご覧ください。
https://w3pharm.u-shizuoka-ken.ac.jp/~yakusou/Botany_home.htm
下記は、大学外のサイトです。
静岡新聞「まんが静岡のDNA」の記事でも薬草園を紹介しました。
https://www.at-s.com/news/article/featured/culture_life/kenritsudai_column/742410.html?lbl=849
このエッセイについて、薬学部附属薬草園の専門員、山本羊一さんに多くの貴重なご意見をいただいた。記して謝意を表する。
https://w3pharm.u-shizuoka-ken.ac.jp/~yakusou/Botany_home.htm
下記は、大学外のサイトです。
静岡新聞「まんが静岡のDNA」の記事でも薬草園を紹介しました。
https://www.at-s.com/news/article/featured/culture_life/kenritsudai_column/742410.html?lbl=849
このエッセイについて、薬学部附属薬草園の専門員、山本羊一さんに多くの貴重なご意見をいただいた。記して謝意を表する。